アンナチュラル 第5話 死の報復
ドラマの方向性が定まったターニングポイントとなる回だった。
ミコトと中堂が思うそれぞれの「法医学の仕事」への向き合い方がハッキリした。
死体損壊罪、木林さんの存在感、666番、中堂さんの家へ向かう久部くんと東海林さん、エプロン姿のミコト・・・細かいネタの挟み方が抜群。
楽しいシーンと哀しいシーンのバランスがさらに良くなってきている。
わかりにくい言葉を「文字」として表現する、この演出もかなり効いてきている。
「今結論を出さなければ、もう二度とこの人物がどうして死んだのかを知ることはできない。
今、調べなければ、調べなければ、永遠に答えのでない問いに一生向き合い続けなきゃならない。
そういう奴を一人でも減らすのが法医学の仕事じゃないのか。」
倫理と感情の狭間で悩むミコト。
誰かの一生を救うとはどういうことなのか。
救いたいという気持ちはミコトと中堂は同じなんだろう。
マンションで鈴木さんの彼女の死因を究明するため協力し合う中堂とミコトを見ていると、鈴木さんを救いたいという気持ちで繋がっていたことがわかる。
ただし、救うということの意味が全く異なった。
「殺す奴は殺される覚悟をするべきだ」
中堂にとって復讐こそが救いだった。ミコトは違う。
ミコトも重い過去を背負っている。
そこは、重い過去の原因となる人物が生きているか死んでいるかの違いなのだろうか。
それとも、過去にとらわれている中堂と過去から脱却したミコトとの違いなのだろか。
今回の主題歌「lemon」の入るところのシーンは圧巻だったな。
哀しいはずの雪のシーンが綺麗で。
「鈴木さんに人なんて殺して欲しくない。」「うん、そうだね。」
今回の件で、ミコトは中堂さんが赤い金魚の犯人を見つけたら殺しに行くことを理解した。
人なんて殺して欲しくないというのは、中堂に人を殺して欲しくないという気持ちなんだろうね。
「法医学者として何かできることがあれば・・・。」
「今やってる。」
これは野木さんのドラマのセリフでよくある考え方ですよね。
特別なことを行うのではなく、今ある目の前にある仕事に真摯に向き合うこと、その大切さを感じるセリフ。
「同情なんてされたくない。」「同情なんてしない。絶対に」
同情・・・今回の中でミコトが何回も言っていた言葉。
自分が同情されたくないからこそ、中堂の過去に踏み込むことを決めた。
中堂のことに踏み込もうとしているけど、ミコトが自分の過去をUDIのメンバーにちゃんと話していないところが気になっているところなんだよね。
ただ、これから赤い金魚事件で協力体制を取るであろう二人の活躍が楽しみだ。