重版出来! 第7話 天才VS凡人…マンガの神様に愛されたい!
重版出来の中でベスト3に入る好きな話。
基本、天才・中田伯が絡む話は大好きなのです。
このドラマで永山絢斗を知ったけれど、中田伯以上にハマり役はないんじゃないかと思っている。
野木さんの脚本の中には、様々な人物の感情を表現するため、いつも複数のストーリーが絡み合っているけど、特にこの回は秀逸だった。
先輩アシスタントの沼田から見た天才・中田伯。
沼田が彼の描くマンガに嫉妬するまでの流れ。
過去の天才漫画家の落ちぶれた姿と、普通が良かったという牛露田獏の娘。
ネームノートにインクをこぼした犯人は三蔵山先生の奥様だと思い込んだり、大塚シュートに嫉妬する中田伯。
過去のトラウマから人に当たることもあるし、完璧な人間ではない。
それでもその中田伯に憧れた沼田。
そして、沼田が漫画で伝えたかったことを唯一わかってくれたのが中田伯だった。
天才じゃない、ただの凡人の自分は沼田の気持ちが痛いほどわかる。
日々の中で誰かに嫉妬し、つい嫌みになるようなことを言ってしまうようなこともある。
そして親が特殊な仕事をしている自分は普通でいたいという牛露田獏の娘の気持ちも理解できる。
「冗談でも思ってないことは口にしないほうがいいですよ。言葉の力は強いんです。」
これは本当だよね。でもそれがなかなか出来ない。
絵が下手でもマンガに対する思いが強く伝えたいことがある彼は強い。
彼の話を通して、小説やドラマと同じでマンガは、思いを伝える一つのツールだもんな、という当たり前のことを感じる。
「特別な人間でいたかったんです。」
凡人であることを受け入れなければいけなくなった沼田のこのセリフ。
天才と凡人の違い、特別な人間ってなんだろうね。
「頑張ってくれ、俺の分も。」
「無理です。僕は僕で他人にはなれませんから。」
「そうだな、その通りだ。」
このセリフを言わせることで、天才と凡人の違いをあらわしているところがすごい。
最後まで沼田の気持ちがわからなかった中田伯も最後まで中田伯で良かった。
普通のドラマならここでお互い分かり合うシーンになるところが、
最後までそれぞれのキャラクターを貫いているところがこのドラマの良いところだと思う。